鈴木社会保険労務士事務所 2009年11月のNEWS  .  
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『改正労基法に係る質疑応答』の概要

 平成22年4月から施行される改正労働基準法に関しての質疑応答が、このほど厚生労働省から公表されました。法令や通達などで明らかにされていない実務的な部分について具体的な内容が示されていますので、その一部を要約して取り上げます。

時間外労働に関する「特別条項月協定」
   労使協定で定める時間外労働について、一定の限度時間を超えてさらに時間外労働を行わせる場合には、延長に関する「特別条項」を付けた協定を締結する必要がありますが、今回の法改正にあわせて「時間外労働の限度に関する基準」(限度基準)が改正され、特別条項として明示する項目に、限度時間を超えて働かせる場合の割増賃金率も加えられました。
■改正後の限度基準の適用について
問) 平成22年4月1日から翌年3月31日までを有効期間とする時間外労働協定について、
  (1) 同協定が平成22年3月30日に締結され、同年3月31日に届出された場合
  (2) 同協定が平成22年3月30日に締結され、同年4月1日以降に届出された場合
  (3) 同協定が平成22年4月1日付けで更新された場合
   のそれぞれについて、改正後の限度基準が適用されますか?
答) 改正後の限度基準は平成22年4月1日以降に締結または更新された時間外協定に適用されます。
   したがって、(1)及び(2)については改正後の限度基準は適用されませんが、(3)については改正後の限度基準が適用されることとなります。
■労働条件明示との関係
問) 限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率は、労働基準法(第15条第1項)の規定により、賃金に関する事項として書面により明示する必要がありますか?
答) 限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率についても書面で明示する必要があります。

月60時間を超える時間外労働の割増賃金率
 今回の改正により、1ヵ月に60時間を超えて時間外労働をさせた場合には、その超えた時間についての割増賃金率は「5割以上」としなければなりません(中小事業主については当面、適用を猶予)。この場合、休日の労働について、いわゆる法定休日(週1回または4週間4日の休日)ではない休日における労働は、時間外労働として「60時間」の算定対象に含める必要があります。
■法定休日が特定されていない場合の算定方法
問) 法定休日が特定されていない場合で、暦週(日〜土)のうち休日である日曜日及び土曜日の両方に労働させた場合、割増賃金計算の際にはどちらを法定休日労働として取り扱うことになりますか?
答) その暦週において後順に位置する土曜日における労働が法定休日労働となります(この場合、日曜日における労働を時間外労働として「60時間」の算定対象に含めます)。

代   替   休   暇
 改正労働基準法では、1ヵ月に60時間を超える時間外労働を行った労働者の意向により、引上げ分の割増賃金の支払いに代えて、有給の休暇(代替休暇)を与えることもできるようになります(中小事業主については当面、適用を猶予)。
■代替休暇の取得日の決定方法
問) 代替休暇の取得日について、労働者が希望した日を使用者が一方的に変更や拒否をすることは認められますか。取得の方法や取得希望日の変更方法について、労使協定で制限することは可能ですか?
答) 代替休暇を取得するか否かは労働者の判断によるものなので、使用者による一方的な変更等は認められず、取得日の決定等は当然労働者の意向を踏まえたものとなります。代替休暇の取得等の具体的な方法については、労使の話し合いにより労使協定で定めるものとされています。

時  間  単  位  年  休
  今回の改正により、労使協定によって、年次有給休暇を時間を単位として与えることができるようになります。
■時間単位年休の時季変更権
問) 時間単位年休に係る時季変更権について、例えば、9時〜10時の1時間の請求が行われた場合、これを同一日の13時〜14時へ変更し、または翌日の9時〜10時に変更することは可能ですか?
答) 時間単位年休についても、事業の正常な運営を妨げる場合は、使用者は請求に係る時季を変更することができますので、質問の変更は可能です。ただし、使用者には日時を指定すべき義務はありません。
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政府が緊急雇用対策を決定

  (10万人の雇用創出・下支え効果)
  政府の緊急雇用対策本部は、10月23日、来年3月末までに10万人程度の雇用創出や雇用下支えの効果をもたらす緊急雇用対策を決定しました。
  主な対策としては、生活に困る失業者を支援するための「緊急支援アクションプラン」を展開。一つの窓口で雇用、住居、生活支援などの相談・手続きを可能とする「ワンストップ・サービス」を実施することや、教育訓練機関に加え地域に企業やNPO法人などの参加により、情報処理技術、介護・福祉、医療などの分野を中心に約5万人分の新たな教育訓練メニューを確保することなどが盛り込まれています。
  雇用維持支援としては、雇用調整助成金の生産量要件の緩和を早急に検討することや、中小企業に対する低金利融資制度の活用を推進することなども明記しました。
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95.6%が雇用確保措置を実施

  (高年齢者の雇用状況)

雇用確保措置を実施した企業の割合
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5割以上の企業が業績・成果で賞与を決定

 厚生労働省が11月5日に公表した就労条件総合調査の結果概要によると、2008年(または2007会計年度)中に賞与を支給した企業のうち、「業績・成果」を賞与の主な決定要素としている割合が、管理職に対しては57.6%、管理職以外では58.9%と、いずれも5割を超えていることが分かりました。
  「業績・成果」を内容別にみると、「短気の個人の業績・成果」とする企業が、管理職で18.1%、管理職以外で30.4%と最も多く、次いで「短期の事業部門、会社の業績・成果」(管理職17.2%、管理職以外13.6%)となっています。
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年金救済、空白1年以内なら

  無条件で記録訂正(厚労相方針)

 長妻厚生労働相は23日、年金記録問題の被害者を救済するため記録訂正の基準緩和策を固めました。国民年金の保険料を払った記録のない「消えた年金」では記録の空白期間が1年以内なら無条件で訂正の申し立てを認めることです。
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