鈴木社会保険労務士事務所 2016年4月のNEWS  .  
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短時間労働者の性、産業別1時間当たりの賃金(単位:円)

産     業 男 性 女 性
 計 1,133 1,032
鉱業、採石業、砂利採取業 1,393 1,001
建設業 1,484 995
製造業 1,141 915
電気・ガス・熱供給・水道業 1,565 1,335
情報通信業 1,404 1,334
運輸業、郵便業 1,168 942
卸売業、小売業 1,008 954
金融業、保険業 1,668 1,220
不動産業、物品賃貸業 1,045 1,025
学術研究、専門・技術サービス業 1,734 1,156
宿泊業、飲食サービス業 960 930
生活関連サービス業、娯楽業 1,034 1,010
教育、学習支援業 1,570 1,304
医療、福祉 1,446 1,257
複合サービス事業 1,192 1,062
サービス業(他に分類されないもの) 1,127 1,002
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残業80時間で立ち入り

政府対象、300万人に拡大

  長時間労働の抑制狙う

 政府は長時間労働に歯止めをかけるため企業への指導を強めます。1ヵ月の残業が100時間に達した場合に行う労働基準監督署の立ち入り調査について、基準を月80時間まで引き下げる方向です。労働基準法違反があれば是正勧告などの措置をとります。労働の生産性を高めて長時間労働を減らすことで、子育て中の女性や高齢者が働きやすい環境を整える狙いです。ただ目先は企業にとって負担となる可能性もあります。
 政府が25日に一億総活躍国民会議で、長時間労働抑制の具体策として示します。5月にまとめる「ニッポン一億総活躍プラン」の働き方改革の柱の一つとして盛り込み、年内にも指導を強めます。20万超の事業所が対象になる見通しです。
 立ち入り調査の対象となるのは、80時間を超える残業をしている従業員が1人でもいると疑われる企業です。実際は労基署の監督官の数が限られるため従業員による通報などを通じて悪質な企業を把握し、重点調査をします。
 これまでは従業員の残業が月100時間を超えると心臓疾患などのリスクが高まるとの医学的な根拠に基づき企業を立ち入り調査してきました。今後は基準を厳しくし、80時間を超える残業があった企業を立ち入り調査の対象とします。これだけの時間の残業が何カ月も続くと、やはり心臓疾患などにつながるとの見方からです。
 調査の結果、違法な時間外労働や残業代の未払いなどの労働基準法違反が見つかった場合は是正勧告し、企業に違反行為を改めるよう求めます。
 法律違反が見つかり、労基署が是正勧告しても改善しない企業は労基法違反で書類送検します。2015年には靴の販売店「ABCマート」を運営するエービーシー・マートが書類送検された例があります。
 15年の労働力調査によると全国の常勤労働者の数は約5000万人です。このうち100時間蝶の残業をしている人は少なくとも約110万人います。80時間以上の人は約300万人で、今回の指導強化で調査対象となる働き手は2.7倍になります。
 各労基署の陣容によりますが、今後立ち入り調査の件数は増える見通しです。厚労省によると、全国の労基署による14年の定期的な立ち入り調査は12万9881件です。このうち7割で何らかの法違反が見つかりました。もっとも多かったのは違法残業など労働時間に関する違反です。
 労基法では労働時間を原則1日8時間と定めています。企業が従業員に残業を命じる場合、労働時間の超過理由を事前に明示した「36協定」を労使で結ばなければならない。厚生労働省は協定を結んだ場合でも、残業時間は月45時間までにするよう求めています。
 ただ、「36協定」の特別条項付協定を結べば、月45時間以上の残業は可能です。専門家からは「労働時間を際限なく延ばすことが出来てしまう」との声があがっており。指導を強めることにしました。法改正による規制強化などを見送ります。

長時間労働の監視強める
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健康保険法の改正(平成28年4月施行)

傷病手当・出勤手当金の計算方法の変更

傷病手当金・出産手当金の計算方法
 健康保険の傷病手当金は被保険者が業務外の病気やケガの療養のために働くことができない期間、出産手当金は被保険者が出産のため休業する期間を対象として、給与(報酬)が受けられない場合、または給与の支払額が手当金より少ない場合に受けることができます。
 手当金は、休業一日につき標準報酬額(標準報酬月額の30分の1)の3分の2相当額が支給されますが、計算のもとになる標準月額は休業の当月の額とされています。
 平成28年4月からはこの計算方法が変更され、1日について、手当金の支給が始まる日の属する月を含む直近の継続した12カ月間の被保険者期間の標準報酬月額を平均とした額の30分の一を基礎として、その3分の2に相当する額になります。(下図を参照)

「12ヵ月」に満たない場合
 手当金の支給開始日以前の被保険者期間が一年間に満たない人は、その人の被保険者期間における各月の標準報酬月額の平均額と、支給開始日の属する年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額の平均額を比べて、少ない方の額をもとに標準報酬日額を算出することになります。この標準報酬月額の平均額は、保険者(協会けんぽや健康保険組合)ごとに算定されます。(協会けんぽの場合は、平成27年度は28万円となっています)
 また、支給開始前1年以内に転職などをしている場合で、転職前後で加入している健康保険の保険者が異なる場合、転職後の被保険者期間のみで平均額を計算します。

4月より前から受給している場合
 今回の2つの手当金の計算方法変更の施行日は平成28年4月1日としているため、例えば施行日より前から継続して傷病手当金を受ける場合、4月1日以降の日にかかる支給額については、新しい計算方法で計算されることになります。
 
平成28年4月からの計算
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企業内保育所、助成広く

 政府・与党 待機児童で緊急対策

 政府・与党が検討する待機児童の解消策の骨格が分かりました。国から助成金を受け取れる企業内保育所の対象拡大や、2歳までの子どもを預かるミニ保育所(小規模保育所)の定員拡充などが柱になります。保育士不足の解消に向け、保育士の給与を政府予算で措置している1.9%分を含めて約4%引き上げることを検討します。
 この4月に保育所に入れない児童を主な対象にした緊急対策は月内にも発表します。中長期的な対応策は政府が5月にまとめる「ニッポン一億総確約プラン」に盛り込みます。
 企業内保育所には初期投資と運営費の両面で国から助成金が出ています。現状では保育施設が企業の敷地内や社宅の近接地などに立地していないと支援対象になりません。
 この条件を緩め原則どこに保育施設を設置しても助成金を支給します。企業からは離れているが社員が多く住んでいる住宅地に設置した場合にも支援できるようにします。
 ミニ保育所の定員については、19人までとなっている子どもの受け入れ人数の上限引き上げを検討します。マンションの一室でっも開業できるのが特徴であるミニ保育所の定員規制を緩和し、保育の受け皿を増やします。
 保育の相談や空き施設の紹介を担う専門の相談員(コンシェルジュ)も増やします。待機児童を抱える親に、認可保育所以外の保育サービスを教えたり最新の保育所の空き状況などを提供したりして、地域の保育施設を最大限に活用できるようにします。
 民主、共産、維新、社民、生活の野党5党は24日、保育士の給与を1人あたり月額5万円引き上げる法案を国会に共同提出しました。


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