鈴木社会保険労務士事務所 2016年5月のNEWS  .  
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エージレス社会に一歩前進

 このほど成立した雇用保険法の改正(平成28年3月31日公布)により、65歳以上の雇用者を対象とする「高年齢被保険者」という資格区分が創設されました。65歳以上の入職者に対して加入を義務付け、将来的には保険料も徴収します。年金との調整制度は現状維持ですが、高年齢者の雇用対策は、「65歳まで希望者全員雇用」から「65歳超の就業機会の確保」に重心が移行しつつあります。
 改正前、「65歳に達した日以後に雇用される者(65歳に達する前から引き続き雇用される者を除く)」適用除外の対象で、雇用保険に加入する必要がありませんでした。「引き続き雇用される者」については、「高年齢継続被保険者」として資格を保持する仕組みとなっていました。
 今回の改正では、65歳以上の雇用者は「高年齢被保険者」に区分されることになりました。従来と異なり、「65歳に達した日以降」に新たに雇用される者も、雇用保険の被保険者資格を取得することになりました(平成29年1月1日施行)。
 改正前は、「毎年度の4月1日時点で64歳以上の者」に関しては雇用保険料の徴収が免除されていました。この徴収免除の規定も、平成31年度での終了が決まっています。
 つまり60歳代後半以上の高齢者も、将来的には一般の被保険者と同様の扱いとなるわけです。
 ただし、雇用保険給付のあり方は、従来の「高年齢継続被保険者」時代の姿をそのまま踏襲します。60歳代前半の場合、退職後の失業給付(基本手当)と年金の間では、支給調整が実施されます。一方、60歳代後半の失業給付(高年齢求職者給付金)は一時金であるため、調整を行わない規定となっていました。

 改正後(高年齢被保険者となった後)も、「一時金・年金との調整なし」という原則は維持されます。

 今後の資格取得は、次の3パターンです。
(1)高年齢継続被保険者は施行日に高年齢被保険者に切替
(2)施行日前に65歳以上で雇用され、被保険者でなかった人は、施行日に高年齢被保険者の資格取得
(3)施行日後に65歳以上で雇用された者は、雇い入れ日に高年齢被保険者の資格取得

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時間外労働の規制提言

 一億総活躍 自民「欧州並み水準に」

 自民党は21日、一億総活躍社会に実現へ向けた提言をまとめました。時間外労働を「欧州諸国に遜色ない水準」に減らし、長時間労働の是正を求めます。政府による給付型奨学金の創設に向けた検討も盛り込みました。政府が5月につくる「ニッポン一億総活躍プラン」に反映することを目指します。
 提言では週49時間以上働く労働者の割合は「欧州が1割ですが、日本は2割」と指摘しています。行政による監督強化や通報制度の創設、時間外労働への規制を検討し、欧州並みの水準にしていくことを求めました。家庭環境による教育格差」を是正するため、政府による給付型奨学金について「創設を検討するべきだ」と明記しました。
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雇用促進税制を2年間延長

(平成29年まで)

 事業年度中に雇用者(雇用保険の一般被保険者)数を5人以上(中小企業は2人以上)かつ10%以上増加させるなど、一定の要件を満たした事業主に対する税制上の優遇制度(雇用促進税制)が、平成29年度まで2年間延長されました。
 これにより、平成30年3月31日までの期間に始まる各事業年度が対象とされることになります。
 なお、個人事業主の場合、平成29年1月1日から平成30年12月31日までの各年が対象となります。
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定年引き上げ 助成金拡大

支給基準、66歳以上に(厚労省)

 厚生労働省は意欲のある高齢者が働きやすいように定年退職の年齢引き上げを企業に促します。定年を70歳以上に引き上げないと助成金を出さない制度を改め、4月から支給基準を「66歳以上」に広げて使いやすくします。65歳以上の社員を雇う企業が40〜50代の中高年の転職を受け入れた場合、1人あたり40万円を出す助成金制度も作ります。
 定年を引き上げた企業は就業規則の変更など制度の導入にかかる経費として100万円をもらえます。定年を迎えた正社員が非正規社員として働ける継続雇用制度を導入した場合も助成します。
 助成金をもらえる企業の数は基準の緩和で大幅に増える見通しです。2015年の厚労省調査によると、70歳以上まで働ける企業は全体の2割にとどまっています。希望者全員が65歳以上まで働ける企業は7割を超えます。
 40〜50代の転職を後押しする助成金は1人当たり40万円を受け入れ企業に出します。1社につき最大500人まで支給します。


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配偶者手当は縮小・廃止を


「就業調整」の防止へ 

  厚労省報告案 不利益変更に要注意

「130万円の壁」で追加対策

  政府方針、就労支援を拡充

「就業調整」の防止へ
  厚労省報告案 不利益変更に要注意
 厚生労働省は、現在多くの企業が支給している配偶者手当のあり方を見直すべきであるとする検討会報告書(案)を明らかにしました。日本型雇用システムの形成とともに定着した配偶者手当ですが、少子高齢化社会への突入によりその存在意義が後退し、「就業調整」の一因ともなっているとしました。女性の能力を発揮できる環境整備へ向けて、配偶者手当の縮小・廃止を行うように求めています。見直しに当たっては、賃金原資の維持、丁寧な労使協議などが不可欠としました。

「130万円の壁」で追加対策
 政府方針、就労支援を拡充

 政府はパートで働く主婦などが労働時間を増やしやすくするための追加対策を5月にもまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に明記する方針です。就労時間の延長や賃上げを条件に補助金を企業に出す制度を大幅に拡充します。外食や小売りなどで深刻な人で不足の解消につなげます。
 政府は年収が130万円を超すと年金や医療の保険料が約20万円かかって主婦らの手取りが減る「130万円の壁」の解消策を3月末に成立した予算に盛り込みました。しかし、人手不足の対応策としては力不足との指摘があり、関係省庁で拡充策の検討に入りました。
 4月から始まる補助金制度は2019年度までの時限措置として(1)大企業で2%、中小企業で3%以上の賃上げ(2)パート労働者が働く時間を週5時間以上延長――などの条件を達成した企業に補助金を出す仕組みです。賃上げにより主婦らの所得が上がり、企業も労使で半分ずつ出し合う社会保険料負担を軽くできます。
 拡充策はまず、ひとつの事業所あたり300万円としている補助金の受給上限をなくします。これまでは労働時間の拡大では1人あたり20万円を支払う仕組みで、対象者が15人を超えても300万円までしか受け取れませんでした。人数に応じた金額を受け取れるようにして、働きやすくします。

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