鈴木社会保険労務士事務所 2 0 1 8 年 3 月 の NEWS  .  
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 無期転換ルールの導入に向けて 


 改正労働契約法により、多くの企業で平成30年4月から本格的に無期転換へ申込みの発生が見込まれています。
 無期転換ルールは、企業側にとっては負担になる面もあるかもしれませんが、人材が不足傾向にある現在では、
有期雇用から無期雇用に転換することで、中長期的にみれば、人材確保や中核を担う社員の育成などに意義があ
るとされます。したがって、導入に向けては、後ろ向きな考えではなく、こうした視点に基づいて取り組むことが重要
でしょう。
 導入にあたって何をすべきなのか、戸惑うこともあるかもしれませんが、次のような手順で進めることが推奨されて
います。

@有期雇用社員の就労実態を調べる
 まずは、自社で働いている有期契約社員の現状を把握することからはじめます。
 パート、アルバイト、契約社員や嘱託社員など雇用形態ごとの人数、職務内容、月や週の労働時間、契約期間、更新
 回数、勤続年数(通算契約期間)を調べ、無期転換申込権が発生する時期などを把握しておくことが大切です。
  また、有期契約社員に適用する就業規則や雇用契約書が備わっているか、正社員の就業規則や給与規程などから、
 有期契約社員が適用除外となっているかの確認も必要となるでしょう。

A社員の仕事、役割や責任を検討する
  有期契約社員が正社員と同じように無期契約に転換した場合、転換後の雇用区分を明らかにして、従来の正社員と
 仕事の内容、役割や責任がどう異なるかを明確にしておくことが、トラブルを防ぐ意味においても大切となります。
 そのためにも、業務の特性の違いなどに着目して、現在有期契約社員が従事している仕事について、基幹的な業務か
 補助的な業務か、業務の必要性が一時的か恒常的か、の二つの観点で分類することからはじめます。そして、無期転
 換後の社員に任せる業務や役割、責任などは、従来の有期契約社員が担うものとは別のものとすることが適当なのか、
 あるいは現状どおりで問題はないのか、検討しておくことが必要となるでしょう。

B適用する労働条件を検討し、就業規則を整備する
 無期転換後の社員について、従来の有期契約社員の業務や役割などは異なるものとする場合、それらの内容とともに
 労働条件に関しても検討することが望ましいとされます。
  検討した内容に基づき、必要に応じて無期転換の社員に適用する就業規則を作成します。その場合には、対象となる
 社員を正社員の就業規則の対象から除外しておく必要があるので、正社員の就業規則も見直すことになります。 

このような手順で進める制度設計の段階では、労使間のコミュニケーションを密にすることで、導入やその後の運用をス
ムーズに行う事ができれるとされています。
 無期転換の申込みについて、その要件や手続き、転換後の働き方などを有期契約社員に事前に説明しておくことも重
要で、意見などがあれば必要に応じて制度の改善を行うことも求められるでしょう。


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副業・兼業のガイドラインを公開


 厚生労働省は1月31日、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を新たに策定し、公開しました。
 ガイドラインでは、多くの企業で副業・兼業を認めていないのは、認めた場合の課題や懸念として、自社での業務がおろ
そかになること、情報漏洩のリスクがあること、競業・利益相反になること、などが挙げられます。
 これに関しては、同時に公開したモデル就業規則の中で、以下の場合には副業・兼業を制限できると示されています。

@労務提供上の支障がある場合
A企業秘密が漏洩する場合
B会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
C競業により、企業の利益を害する場合

 副業・兼業を禁止としている企業の今後の対応については、副業・兼業が自社での業務に支障をもたらすものかどうか
をいま一度精査した上で、前記のような事情がなければ、労働時間以外の時間については、労働者の希望に応じて、原
則として、副業・兼業を認める方向で検討っすることが求められるとしています。
 また、副業・兼業を認める場合には、労働者からの自己申告により副業・兼業先での就労時間を把握すること、法令に
基づいて健康診断などの必要な健康確保措置を実施すること、などが適当であるとしています。
 このほか、労災保険の給付に関しては、労働者が、自社副業・兼業先の両方で雇用されている場合、一の就業先から
他の就業先への移動時に起こった災害については、通勤災害として給付対象となること、雇用保険に関しては、それぞ
れの雇用保険において被保険者要件を満たす場合は、その者が生計を維持するのに必要な主たる賃金を受ける雇用
関係についてのみ被保険者となること、などにも留意が必要だとしています。
 厚労省は、ガイドラインにあわせて公表した「Q&A」やモデル就業規則を活用して、副業・兼業の促進を図っていく予
定です。


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協会けんぽ、健康保険料率を決定


全国健康保険協会は、平成30年3月分(4月納付分)から適用される都道府県(支部)ごとの健康保険料の保険料率を
決定しました。(下表参照)
健康保険料率が改定されるのは四二の支部で、そのうち、引き上げが一八支部、引き下げが二四支部となっていて、
五支部では据え置かれました。
一方、全国共通の介護保険料率については、1.65%(労使折半)から1.57%へ引き下げることになりました。




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「70歳超から年金」大綱決定
選択制、20年にも法案提出




 政府は16日の閣議で、公的年金の受給開始年齢を70歳超も選べるようにする制度の検討を盛り込んだ高齢社会対策
大綱を決定した。厚生労働省で具体的な設計を詰め、2020年の関連改正案の国会提出をめざす。公的年金制度の見直
しで、意欲や能力のある人が希望すれば長く働けるよう後押しする。
  閣議前に開いた高齢社会対策会議で、安倍晋三首相は「全ての世代が充実した人生を送れるよう取り組んでほしい」
と関係閣僚に指示した。
  新たな大綱は「65歳以上を一律に高齢者と見る傾向は現実的でなくなりつつある」と明記。少子高齢化が進み平均寿
命も伸びるなか、高齢者の定義を見直す必要性を指摘した。大綱の改定は12年9月以来。
 現在は65歳を原則として、年金の受給開始年齢を60歳から70歳の間で選べる。受け取り開始を65歳より後にする場合、
1ヶ月遅らせるごとに0.7%ずつ毎月の受給額が増える。前倒しする場合は0.5%ずつ減額される。今後は新たに70歳超も
選択できるようにし、上乗せ率は現在より上積みする方針だ。
 厚労省は19年の年金財政検討を踏まえ、社会保障審議会で年金部会で具体的な制度設計を進める。70歳を超えた部
分のみ0.7%より高く設定すると、上乗せ率全体を引き上げる案が浮上している。年齢の上限設定は平均寿命の伸びや
想定する利用者の規模、財政負担などを踏まえて検討する。
 現行制度では上限70歳まで受給開始を遅らせれば月額42%増える。現在の0.7%の上乗せ率で試算した場合、75歳
まで遅らせれば84%と大幅な増額になる。長生きすることを前提にすれば受給開始繰り下げによるメリットは大きくなる。
個人の生き方や働き方にあわせた選択の余地を増やす狙いだ。

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