各種保険や制度総報酬制の導入に伴う計算方法の変更
総報酬制の導入に伴う計算方法の変更 (平成15年度実施)
 賞与の多寡による被保険者間の不公平を是正するため、賞与も毎月の年金保険料賦課の対象とするとともに、年金給付にも反映させる総報酬制が平成15年4月から導入される 制度導入により保険料総額および給付総額が変動しないように、保険料率や給付乗率の引下げ、計算方法の変更等が行われる
◆厚生年金保険料率は135.8/1000に
賞与にかかる厚生年金保険の特別保険料(10/1000を労使折半負担)は給付に反映されないため、同年収でみると賞与割合が多いほど保険料の負担が少なくなっている そこで賞与を含む年収で保険料を算出し、給付にも反映させる総報酬制が平成15年度から実施される 具体的には毎月の月給と賞与ごとに同じ次の保険料率が用いられるが、いずれも労使で折半負担となる

毎月保険料=標準報酬月額×135.8/1000 (改正前は173.5/1000)
135.8は、月収を1とした平均賞与割合が0.3であることから算出
(17.35%×1+1%×0.3)/(1+0.3)
 標準報酬月額はその年の4月〜6月に支払われた給与の平均で、9月から翌年8月まで適用(現行より1力月前倒)
賞与時の保険料=賞与額(上限150万円で1000円未満切り捨て)×135.8/1000
 賞与支払時ごとの上限150万円は標準報酬月額の上限該当者(62万円)の年間平均賞与額300万円を2で除した額
注)平成15年度から現行の厚生年金特別保険料は廃止される また船員・坑内員の保険料率は14.96%、JRは15.69%、JTは15.55%、農林は15.22%となる

◆報酬比例部分の計算方法を改正
 総報酬制の実施に伴い、厚生年金保険の報酬比例部分(老齢・障害・遺族)について、給付乗率の引き下げ及び計算方法の変更が行われる

 具体的には、次の1.と2.を合算する
1. 平成15年3月までの被保険者期間は現行の計算方法・‥平均標準報酬月額×9.5〜7.125/1000×被保険者月数
2. 平成15年4月以後の被保険者期間は新計算方法‥・平均標準報酬額(標準報酬月額の合計と標準賞与額の合計を合わせた総額を15年4月以後の被保険者月数で除した額)×生年月日に応じた下表の率×被保険者月数

 なお、平成15年3月までの期間については平成12年改正前の旧計算式による額、15年4月以後は(平均標準報酬額×生年月日に応じ政令で定める率・5.769〜7.692/1000×被保険者月数×1.031)で計算した額の合算額が最低保証される

 〈平成15年4月以後の報酬比例部分の支給率〉
生 年 月 日 支給率 生 年 月 日 支給率
大15.4.2〜昭 2.4.1 1000分の
7.308
昭12.4.2〜昭13.4.1 1000分の
6.241
昭 2.4.2〜昭 3.4.1 7.205 昭13.4.2〜昭14.4.1 6.146
昭 3.4.2〜昭 4.4.1 7.103 昭14.4.2〜昭15.4.1 6.058
昭 4.4.2〜昭 5.4.1 7.001 昭15.4.2〜昭16.4.1 5.978
昭 5.4.2〜昭 6.4.1 6.898 昭16.4.2〜昭17.4.1 5.890
昭 6.4.2〜昭 7.4.1 6.804 昭17.4.2〜昭18.4.1 5.802
昭 7.4.2〜昭 8.4.1 6.702 昭18.4.2〜昭19.4.1 5.722
昭 8.4.2〜昭 9.4.1 6.606 昭19.4.2〜昭20.4.1 5.642
昭 9.4.2〜昭10.4.1 6.512 昭20.4.2〜昭21.4.1 5.562
昭10.4.2〜昭11.4.1 6.424 昭21.4.2以後生まれ 5.481
昭11.4.2〜昭12.4.1 6.328    
 注)上表の率は導入前の乗率÷1.3
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